2009年02月11日

乾電池式鉛筆削りを買った

設計の初期段階だったり、作業中のメモだったりは、自分の場合方眼紙に鉛筆、というのが、もはやはずせないこだわりになっていて、他の道具を使っていると、どうしても気が乗らない理由をその道具に求めてしまうようになる。そのため鉛筆は常に大量に準備しているのだが、たくさんあると、けっこう削るのが手間なのだ。

鉛筆を削るにはいくつかの手法がある。
  1. ナイフで削る
    最も基本にして、削り方の調整も自由自在。道具もコンパクトだが、削る本人の集中力と技量を要し、急いでいるときに多数削ることはできない。また、手段が目的化してしまう可能性が高い。削りくずの散らばり方にも注意が必要。
  2. 一穴削りで削る
    削りあがりについては、意外に理想的な仕上がり。一枚の刃で薄くけずっていくので、削り面が毛羽立たず、またとがり方についても調整が効く。力加減で色鉛筆にも対応可能。ただし、大量に削ると結構疲れる。また、削り器が小さすぎてどこかに行ってしまいやすい。
  3. 機械式手動削りで削る
    差し込んで・ぐるぐるまわして・できあがり、という簡便さが魅力。機械式削りは細かい刃で削るので、削り面が荒れやすいのが難点。また、ハンドルを回す動作をするために、机上においてけっこうな空間を要する。何より美しいデザインのものが少なく、たまにあるデザイン性に優れた奴は、嘘みたいに高価だ。
  4. 機械式電動削りで削る
    差し込んで・できあがり、という超簡便さが超魅力。機械式削りゆえの弱点は手回しと一緒。さらに、ACモーターが結構な重さであるのと、コードが必要なことで、一旦設置された鉛筆削りは二度と動かされず、机の上に過分な領土を主張する。削り強さの調整が難しく、色鉛筆を削ることは多分不可能。
  5. 乾電池式削りで削る
    一穴削りのいいところをできるだけそのままに、弱点のみを克服した手法。削りあがりが綺麗で、押し付ける強さにより削り厚の調整が可能。電動削りに近い手軽さもある。沢山削っても疲れず、また適度なサイズで見失いにくい。それでいて乾電池式のためコードもなく、置き場に対する主張が少ない。

とまあ、(自分にとって)理想的な鉛筆削りが乾電池式削りであることは明白なわけだが、いままでなかなか購入に踏み切れなかった。なぜだ!

Amazon.co.jpにおける、乾電池式鉛筆削りのレビュー得点が、総じて低いのだ。1点。よくて2点。1点だけど本文で星なしだコラ的文章。なぜだ。乾電池式鉛筆削りはかなり使いやすい商品のはず。何かが間違っている。




間違いを調べるべく、ついに意を決してひとつ購入した。
購入したのはPanasonicのKP-006R。検討に検討を重ね、これが乾電池式鉛筆削りジャンルにおけるベストバイであると確信したものだ。

KP-006R
写真では色がくすみがちだが、実物はかなり美しい赤が出ていた。電池はついていないので手持ちのエネループを4本挿入し、早速1ダース100円の超安物鉛筆を6本ほど削ってみる。下手に削ると簡単に折れたり毛羽立ったりするので、鉛筆削りの性能を見るには安物がいい、という理由をつけてみるが、実際のところ手持ちにこれしかなかったのだが。

ふむ。問題ない。鉛筆にけっこうトルクが帰ってくるが、この鉛筆削りの中で一穴削りが回転していることを考えれば、これは当然の帰りトルクであり、逆にその強さによって鉛筆にたいする刃の食い込みっぷりが判断できるというものだ。削りあがりのとがり具合がカバーによって見えないので、手先の感覚で知ることになる。芯が削れる感触が伝わるので、けっこうわかる。まだ完全じゃないが、あと10回も削れば解るんじゃないかなと思える。

完璧だ。大きさもデザインも機能も、まさしく求めていた鉛筆削りがこれなのだ。ではなぜレビュー得点は低いのか?

唐突に気づいた。
比較対照になるものが、機械式削りでしかないんだ。
機械式削りならば、鉛筆に殆どトルクが戻らないので、戻るトルクに対して力を出すことが嫌なのだ。
機械式削りの細かい糸のような削りくずに慣れていると、うす削りの削りくずが多く見えるのだ。
機械式削りのねじ山のような削りあがりを普通だと思うと、すっきりした削りあがりが滑るのだ。
機械式削りの大雑把な押し付け強さを想定していると、一枚刃では削りすぎてしまうのだ。
機械式削りの融通の効かなさを当たり前と思うと、一枚刃の自由度がかえって不安なのだ。
機械式削りの鋭角な削り角度を見ていると、一枚刃の削り角度が鈍く見えるのだ。芯折れにくいのに。

結局道具の特性も知らず、自分の知っている狭い世界を唯一の基準にしてしまい、他に存在するよりよいものに対し、自分の知っている狭い基準と異なるからという理由で排除しているがゆえの低得点なのだな。
そうでも思わないと、あの電池式削りの総じて低い得点が説明できませんよ。ええ。

ステッドラーの一穴削りとかに慣れてる人にとっては、かなり良いデキです。このKP-006R。
あんまりいいから紹介してしまいます。これ。



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posted by Tig3r at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 文具日記
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