2台目のセットトップボックスに採用した、ピクセラの無線リモコン、ピクセラ 2.4GHz無線リモコン StationTV RF Remote PIX-RM015-PUWだが、これが予想以上に良い買い物で、床に向けようが天井に向けようがリモコンが反応するので、たとえば仰向けに寝ながら、のような、リモコンの使いにくい体勢でも難なく使える。
ところで、Windows7においてWMCリモコンはHID標準ドライバで稼働し、キーボードとして認識される。たとえばリモコンの上下左右キーはそのままカーソルキーとして認識する。他にも、決定キーがEnterだったり、音量がJ、Mだったり、ミュートがDだったり、前後スキップがQとPだったり、Notepadを立ち上げてひとしきりリモコンのキーマッピングを確認して遊んでみた。
ここまでふつうにキーボードとして(文字は限定されるが)入力できるなら、このキーボード入力をフックしてマウスを操作することで、リモコンがワイヤレスハンディマウス的なものになるのではないか?と考え付いたのだ。
最初に考え付いたのはWindowsの標準機能にある、テンキーを使ったマウス操作だ。幸いリモコンにも数字キーがあるので、テンキーと並びは逆だが(電卓配列じゃなくて電話配列なのだ)、とりあえずそれで使えればとっかかりになるだろうと、コントロールパネル→コンピュータの簡単操作→マウスの動作の変更→マウス キー機能を有効にします、のチェックボックスをつけて、リモコンの数字ボタンを操作してみる。
やってみた結果、リモコンの数字キーはすべて、フルキーの数字キーとして認識されており、テンキーにはならなかった。よってこの方法は却下となる。
では、使用するキーのカスタマイズが可能なソフトウェアを入れてみる。
totobon氏が公開している、KBMouseが使えると思われる。サイトは
http://www.parof.jpを参照のこと。
KBMouseをインストールして起動したらとりあえずタスクトレイアイコンから設定を開き、マウスエミュレートのタブで各操作のキーバインドを設定していく。マウスの移動やクリックに相当する部分を通常のマウスで選択し、その状態でリモコンのマッピングしたいボタンを押すことでマッピングしていける。個人的なおすすめ配列は、左クリックを「決定」、右クリックを「消音」、ホイール操作を音量の上下、移動をカーソルキーにすることだ。
最大の問題点が「スイッチ」の部分である。他のキーバインドは、KBMouseが動作状態じゃない場合にはふつうにリモコンの機能として使えるわけだが、スイッチにバインドされたキーのみは、KBMouseの有効・無効状態を切り替えるので、他のバインドと同じものではいけないし、かつ、そのボタンは必ず入力がフックされて動作切り替えに使用されてしまうので、たとえばリモコンの停止ボタンを割り当ててしまうと、二度とそのボタンを「停止」の意味で使えなくなる。
そのため、通常の操作ではまず同時に押すことはないであろう2キーの同時押しを設定する。このためにロールオーバーが必要になってくるわけだ。
設定のスイッチ部分で、一行目で「戻る」ボタンを押し、二行目にカーソルを合わせて↑ボタンを押す。こうすることで、戻るボタンと上を同時押しするという、通常ならば絶対に使わない組み合わせのキーを同時押しすることで、KBMouseのスイッチができるわけだ。もちろん他の組み合わせでもいいのだけれども、キーとして認識するボタンで、かつ複数同時押しを認識する組み合わせはそれほど多くない。試行錯誤してみるといいと思う。
このようにして設定を行うと、スイッチに登録した同時押しを行うことで、リモコンはリモコンとしての入力を受け付けなくなり、ただマウスとして認識されるようになる。ただしWMCボタンだけは例外のようだ。
また、WMCリモコンでもキーボードでも絶対普通の操作では押すことがないであろうボタン、というものがもしリモコンのキーマップ上に存在しているのであれば、複数キーの同時押しに対応していないリモコンでもマウスの代わりをさせることは可能だろうが、なかなかそういう条件に会うキー・リモコンは無いのではなかろうか。実質マウスとして使用できるリモコンは限定される。そのうちの一つが、今回採用したPIX-RM015-PUWということになるのだろう。
ただひとつ誤算だったのは、結局リモコンはキーボードであって、キーボードを使ってマウスをエミュレートする関係上、さらにそのマウスでスクリーンキーボードを操作しようとしたらキーボードの入力をそっち側に引っ張られ、マウスが動かなくなってしまう点だ。まあこれは仕方がないとする。普段の操作はマウス一つ=リモコン一つでなんとかなるのだから。
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